車で動物を轢き殺す、または既に轢死体となっている動物を持ち帰るという猟法は、
ロードキルと言われておりますが、建物の窓ガラスに誤って激突し、不運にもお亡くなりになってしまった鳥をいただくのは、何猟法と言うのでしょうか。
学校なんかに多いかと思うのですが、鳥が窓ガラスにぶつかってこないように、猛禽類の絵を貼っているのを見たことありますよね?
鳥って窓ガラスが見えないのですね。映画『
食堂かたつむり』のワンシーンでは、食堂の入り口ドアに激突したハトを調理して食べるシーンがあります。
映画はDVDで見たので、映画公開翌年の2011年だったかな。
当時、私はまだ狩猟に目覚めておりませんでしたので、女優の
柴咲コウさん演じる主人公が、己の家の扉に
バードストライクして昇天したハトを食べて
『美味しい♪』なんて言っているのを見て、
鬼畜ゥ!この女、ぐう鬼畜ゥ!!と思ったものです。
時は流れ2015年某日━━━私は関東某所の仕事先へ向かうところでした。
天気が良くてとても爽やかな朝でした。
目的の建物に付くと、建物の管理人さんが、入り口付近の清掃をされておりました。
『朝から精が出ますな。今日も一日頑張りませう』私は、心の中で管理人さんにそう呟くと、建物に入れてもらうために管理人さんに歩み寄り声をかけようとしました。
ん? ほうきとチリトリで掃き掃除をしているように見えたが・・・あれは・・・
バサ・・・
バサバサッ!!え!?ハト!? キジバトじゃないか!!私が声をかけるよりも先に、管理人さんが
『ハトが窓にぶつかったんですよ。これで捕まえようとしているのですが、まだ生きていて・・・』と言ってきた。
へっぴり腰でチリトリにハトを入れようとする管理人さんとのたうち回るハト。
捕獲に苦戦しているようなので、私が横から割入って両手でそっと捕まえた。
『ふ~助かりました。ゴンッって大きな音したもんで、何かと思ったらハトですよ。 これは助からないだろうなぁ』
『このハト、どうしましょう?』
『まぁもう助からないだろうし、今日ちょうどゴミの日なので、それで出しちゃいます。』捨てるだと?キジバトだぞ。旨いんだぞ?
ゴミと一緒に捨てるって、
この冷血人間め!貴様には心ってもんがないのか。
と、一方的に狩猟者目線でその管理人さんを見てしまったが、狩猟に興味をお持ちでない方の場合、大体がこういう対応となるのではないでしょうか。
ゴミと一緒というのは酷い気がしますが、かくいう私も
過去にネズミを燃えるゴミで出したことがあります。
『もし問題なければ、私は副業でペット関係のことやってますので、このハトを引き取らせていただきますが』当然嘘だが、角が立たないよう、管理人さんからハトをもらうために咄嗟に思い付いて出た言葉がこれ。
『えぇ!?いいんですか? それは助かります!!』疑われるどころか、管理人さんに感謝されてしまった。
さて、そんなこんなでGetしたキジバト。

まだ息がありましたので、首を捻って窒息死させました。

仕事を終え、帰宅すると、ハトを今晩のおつまみにするため、早速風呂場で毛毟りです。
ハトは、カモと違って、撫でるように毛を引っ張るだけで抜けます。
しかし、毛を多くつかみすぎると、勢い余って皮まで破けてしまいます。
首根っこの赤くなっているのが、皮まで剥けてしまったところ。

カモなんかだと毛毟りに1時間はかかりますが、ハトの場合は10分ほどで終わります。
首を捻って、骨が砕けているので、首が長く伸びきっています。
この状態になると、ナイフが骨に引っかからず首を切断できます。

首を落としたら、産毛をコンロで焼き、表面のフケなどをスポンジを使って水洗いします。
鳥は羽を毟ると、一回りは小さくなっちゃいます。
わかっていることですが、ガッカリ感がありますね。

お腹の中から、ハツ、レバー、砂肝を取り出して、よく洗います。
ハトの臓物ですが、鶏のそれの半分もない大きさです。
ちなみに、砂肝からは、よくわからない植物の種が沢山出てきました。
街中のハトだから、変な生ゴミとか食べているんじゃないかと不安でしたが、付近の公園などの樹木から餌を食べているのでしょう。

お腹に玉ねぎの切れ端を詰めて、オリーブオイルを塗り、塩を振って魚焼きグリルで焼きました。
仕事の後だし、手早く調理して食べたかったので、手をかけず丸焼きにしたわけですが、味はとても美味しかったです。
オリーブオイルに塩だけなのですが、ワインに合いましたよ。
1羽じゃ物足りないけどね。
以上、瀕死のキジバトを救出して、晩酌の良いおつまみとなった今回の話。
特段オチなどもないのですが、皆さんも今回の私のようなケースに遭遇したら、是非
ペットショップ関係者ですと嘘をついて鳥をGetされてはいかがでしょうか。
建物の管理人さんにも感謝されるし、鳥もゴミ箱に捨てられず、貴方に美味しく食べられ感謝される。
嘘はよくないことですが、それも方便。 良いのではないかと思います。
最後に、この猟法の名前ですが、
『棚からぼた餅猟法』と言っては、単純すぎるか。
そもそも、これを猟といっていいかもわかりませんが、いいネーミング思いついたら教えてください。
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