
『猟師になれば、大好きな肉がタダで山ほど手に入る!肉の自給ができる!!』そんな思いで狩猟を始め、所属する狩猟グループのおかげで、当初思い描いた通りになりました。
(正確には、狩猟登録税やらあるのでタダではないが、趣味と実益は兼ねている。)今や、自分が食べる肉というのは、スーパー等で購入する必要がなくなりました。
大変ありがたいことです。
一般的に、肉と野菜では圧倒的に肉の単価が高いわけですが、それをお金を出して買わなくても、手に入れることができるわけです。
しかしながら、肉を食べることが極端に少なくなりました。
せっかく理想を現実にできたというのに、肉を食べる回数が激減したのはナゼか?
理由を洗い出してみました。
1.家族(妻)が狩猟およびジビエが大嫌い動物の命を頂戴する狩猟は、現代社会においては特異です。
「動物を殺すなんて可哀想」という愛玩的?な理論からも万人受けすることは、永久にあり得ない気がしています。
残念ながら私の妻も狩猟行為に対しては批判的です。
また、様々な条件下の影響で、クセが出やすいジビエ。
私からすれば、そのクセこそが美味さの根源であると思っているのですが、妻は『臭い!!』と言い放ち、同じ調理器具さえ使うことを許しません。
仕方がないので、職場へ持っていく弁当は、自分でジビエ弁当をこさえておりました。
2.ジビエ料理は手間がかかるこちら、「
吾輩はプアである。」さんにも書かれております通り、ジビエは家畜の肉のように品質が一定に保たれているものではありませんので、美味しく食べるためには、下処理に手間をかける必要があります。
魚や野菜と同じで
“旬”もあります。
先に述べたとおり、妻はジビエが好きではありませんので、調理をしてくれません。
自分で作ろうにも、仕事で帰りが遅く、休日は猟に出たり、育児などもあり、手間をかけて料理をする時間が作れない状況です。
作ってみたい料理はたくさんあるのに、実現できていないのが悩み。
3.スーパーの精肉コーナーでいちいち感動し、畜産業の偉大さを知った自分で精肉をするようになってからというもの、スーパーの精肉コーナーに行くたびに、美術館にでも来たような感動と興奮を覚えます。
パック詰めされた肉のキレイなこと。
狩猟始めるまでは、特段意識せず肉を買っていましたが、肉にするまでの大変さを知っていると、意識せずに買うことはできなくなりますね。
4.年齢的な理由と自給意識今年で34歳。
年齢的にも、肉よりも魚。
10代から20代前半までは、好物は焼肉やステーキだったが、今は旬の野菜が好物となった。
旬のイノシシで、一冬に数回は知人らと牡丹鍋をするが、この時もイノシシ出汁が染みた大根や白菜を食べることに幸せを感じている。
あとは、肉を自給できる環境にあるので、肉を買う必要も感じておりません。
5.「獲る」「食べる」よりも、「精肉」が楽しい動物を仕留める瞬間、みんなで美味しく食べる時・・・
狩猟の醍醐味は人それぞれだと思いますが、私は
「精肉」している時が一番楽しいですね。
スーパーに売られているパック詰め肉を意識して精肉することは、どこか一つの芸術作品を制作しているような気分に浸れます。
「趣味は何ですか?」と聞かれれば、当たり障りなく、
「サッカーです」と答えてますが、本当は
「精肉です!」と声を大にして言いたい。
6.「美味しい」と喜んでもらえることがこの上なく嬉しいこれ。
とにかくこれ。
私は料理人ではありませんが、人様に喜んでいただけるって凄い嬉しいことではないですか。
有害動物としてしか見られないタヌキやアライグマのような生き物も、美味しく食べてもらうことで、その存在を知ってもらいたい。
7.地域資源として有効活用したいこれまで、
ジビエを地域資源として、イベントを数回行いましたが、どれも大盛況。
これからもジビエと絡めたイベントを展開していきたいので、自分で食べるよりも多くの人に食べてもらいたい。
ジビエで町興しだ!とか、地域のために!といった大それたものではなく、単純に楽しいことをやりたいというだけなのですが、喜んで食べてくれる人のことを想像しながらやっているので、狩猟にかける想いは燃えたぎっているものがあると思っています。
以上、せっかく猟師になったのに、あまり肉を食べなくなった理由でした。
狩猟をされている方には、共感いただける点があったのではと思います。
今後も私の年間の肉消費量は、減少傾向と思われますが、それでもこの世で一番おいしい食べ物は、
秋にドングリ(またはクリ)を沢山食べて脂がノリに乗った、11~12月の出産経験のないメスだと思っています。
異論は認めん!上記のイノシシをイベントで出せる程度獲れるスキルを身につけ、参加者の皆さまを、その美味しさで悶絶させることが当面の目標です。
ということで、今後も狩猟スキルの向上を頑張っていきます。
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