【狩猟】やってみて良かった『罠シェアリング』。全国に広まってほしい
- 2016/09/12
- 23:10


罠猟をやっている方にお願いしたい。
『罠シェアリング、始めませんか?』
今年も東京都における、狩猟試験が行われており、試験を受けに行った知人の話によると、それはもう溢れんばかりの受験者(受講者)だったとのこと。
しかしながら、200人超は毎年いると言われる受験者の中で、実際に狩猟を始めて“続く人”は、1割にも満たないという。
(と、関係者の方がおっしゃっていました)
それもそのはずだと思う。
狩猟免許を取って、いざ猟を始めようとすると、意外とお金がかかり、可猟区がハンターマップをみるだけでは不明瞭なので、どこで猟をやっていいものかわからないだろう。
また、狩猟をやりたいと免許をとったはいいものの、家族の反対を受けて断念する人も多いはずだ。
野生動物の命をいただく行為は万人受けするはずもないので、致し方ない。
イノシシ狩りのグループに入ったはいいものの、年功序列の縦社会に馴染めず、辞めたなんて話も聞いた。
もっと “負担なく”、“気楽に”、“楽しく” 猟をする方法はないだろうか?
と思って考えたのが「罠シェアリング」。
罠シェアリングの仕組みについては、過去の記事を参照していただいて、
くくり罠代を出し合って、獲物が取れたら肉は山分け『罠シェアリング』勉強会編
『罠シェアリング』勉強会 第二回 ついに設置成功編
この記事では、罠シェアリングをやってみて、「こんなに良いことがあったよ。」というのを紹介します。
やってみて良かった『罠シェアリング』。
その1 見回りのモチベーションとなる
朝なのか夜なのか、罠を一度仕掛けたら毎日行う見回り。
漆黒の闇の中を、早起きで眠かったり、仕事帰りで疲れている中行うのは大変なものです。
しかし、獲物が取れてみんなが喜び、楽しく解体する光景を思い浮かべながらやることで、それが強烈なモチベーション維持に繋がります。
あきる野市黒茶屋の紅葉、まだまだ綺麗です。
— イクメン猟師Ogawa (@TaketoOgawa) 2015年12月15日
罠見回りの後はここで名物おやきを食べるのが定番。泥付きネギが100円で売っていた。今晩は鍋にしますかね。
まだ成果のない罠シェアリングだが、見回りだけでも楽しめている#罠シェアリング pic.twitter.com/YaibnO6JfH
その2 タヌキが獲れたって嬉しい!
タヌキには申しわけないのですが、過去に立て続けにタヌキが獲れたとき、
『げぇ!まーた、タヌキかぁ』
と思ったことがありました。
罠猟をされる人なら、みなさんそう思うでしょう。
しかし、罠シェアリングの仲間がいれば、必ず、タヌキ肉を食べたい!毛皮なめしをやりたい!
という需要がでます。
喜んでくれる人がいれば、タヌキが獲れたってうれしいものです。
うん、タヌキには本当失礼だけども。
罠シェアリングメンバー数名と取材にこられた方とで、見回り&設置をしました。
— イクメン猟師Ogawa (@TaketoOgawa) 2015年12月27日
タヌキが箱罠にかかっており急遽解体講座。
若い♀タヌキは割りと美味なので明後日やるTOKYOジビエのイベントで出そう。
焚き火で酒盛りもして楽しい一日でした pic.twitter.com/O5i8lstVmq
その3 みんなで食べれば100倍美味しいジビエ
「孤独のジビエ」は読む分には楽しいけど、みんなで食べた方が楽しくて美味しいです。
現に孤独のジビエの管理人であり、「これから始める人のための狩猟の教科書」の著者である、東雲先生もおっしゃっています。
『僕だって好きで孤独やっとるわけやなかとです。 僕は腐ったサバのような性格しとるけぇ友達ができんとです』
(と、依然お会いしたときにおっしゃっていた)
少し前に、東雲氏の言論や性格について叩かれてるようなのを見て、ちょっと可哀想に思いました。
オオカミ再導入案をきっかけに2人のハンターが衝突。あなたはどちらを支持しますか?
落ち込んでいるだろうと思って、激励のメールをしてみたところ、
『ボカァ、天性のマゾヒストやけぇ、叩かれるとワクワクするとです!』
と返信が来ました。
さすがに、この人とは友達になれないと思いましたね。
ま、東雲先生のことはともかく、私の場合、妻にジビエの美味しさを教えたい、なんて考えは早々に捨て去って、ジビエを食べたがっている人らと一緒に食べることができて、幸せを感じています。
狩猟解禁日は巻き狩りで出猟もイノシシ獲れず。
— イクメン猟師Ogawa (@TaketoOgawa) 2015年11月16日
今日は罠シェアリングの仲間とくくり罠設置。
罠設置前にヤマドリ2羽獲れて、早起きは三文の徳とは猟師のための言葉と思いましたね。
熟成そっちのけで、ヤマドリ鍋にしましたが、とても美味でした pic.twitter.com/ZEupj0Q5rF
今日はマガモ3、キジバト1の猟果。
— イクメン猟師Ogawa (@TaketoOgawa) 2015年12月7日
昼は妻子連れで檜原村デルピーノでランチし、イクメンサラリーマン猟師家族サービスの面目躍如。
初めて自分でカモ鍋作りましたが、個人的にはカモはステーキ一択ですね。
ガラスープのうどんは大変美味ですが pic.twitter.com/FOOLQ4Fu7G
その4 地域活性化につながる可能性が見えてきた
地域新聞で取り上げていただいて、「うちに罠設置していいよ」なんて声もいただくようになりました。
過疎化問題が深刻化してきている、全国の里山地域。
罠は実際、土地の持ち主に許可をとって設置することが多いわけですが、そうすると、自ずと都市部と里山の交流が生まれます。
罠シェアリングで里山に通う ⇒ 地元の人たちとの交流が生まれる ⇒ 地域行事に参加するようになる ⇒ 移住する
といった流れも出てくるかもしれません。
私の住む地域でも、空き家や耕作放棄地が増えてきているし、これからの時期、柿が取られもせずに腐り落ちています。
実にもったいない。
干し柿作りのイベントでも開いたら、都会から人呼べるんじゃないかと思うのだけども。
西多摩新聞の元旦号の特集に私のことが載りました。
— イクメン猟師Ogawa (@TaketoOgawa) 2016年1月2日
罠シェアリングについて書いていただいています。まずは、あきる野の他、八王子、檜原村、青梅、日の出、奥多摩の西多摩エリアで罠シェアリングが流行ることを願います。#罠シェアリング pic.twitter.com/72C52S3Xsi
本では、「罠シェアリング」についても、少々触れられているとか!
— イクメン猟師Ogawa (@TaketoOgawa) 2016年4月8日
都市部に住む人でも罠猟できるよう、罠シェアリングが広まってほしい。
浴槽でイノシシ冷やすとか無理がありますからね。https://t.co/VCaSim0P5k pic.twitter.com/GsOBaLn88Y
その5 自身の出費節約となる
狩猟をするにはとにかくお金がかかりますね。
狩猟登録費はもちろんのこと、車のガソリン代や肉の処理に使うキッチンペーパーやジップロックなどの消耗品。
これらもひっくるめてシェアすることで、金銭的負担が減ります。
私の場合は、お小遣いではとても買えそうになかった、トレイルカメラを購入しました。
今猟期では、トレイルカメラに写った獲物を食べながら、罠にかかる瞬間の映像をみんなで鑑賞する会をやるつもりです。
今日は、くくり罠製作会社の社長さん直々に設置の仕方を教えていただいた。コツがわかり、あとは猟期まで練習&練習。
— イクメン猟師Ogawa (@TaketoOgawa) 2015年11月9日
罠シェアリングとして、皆で費用を出しあって購入した罠。獲って喜びを分かち合いたい。
しかし、社長は九州人の典型だったな笑 pic.twitter.com/wur15AYRkg
トレイルカメラにイノシシの交尾が映りました。
— イクメン猟師Ogawa (@TaketoOgawa) 2016年2月22日
野生のイノシシの交尾シーンは割と珍しいのではないでしょうか。
トレイルカメラはモノが映ると楽しいですね。https://t.co/McfhoEuOD7#罠シェアリング #トレイルカメラ #イノシシ #狩猟
いかがでしょうか。
良いことばかり書きましたが、当然課題もあります。
全国の里山で罠シェアリングをやり始め、罠シェアリングネットワークを作って、成功事例や課題解決策など、情報共有ができればと思っております。
狩猟を体験してみたいけど、その受け皿がなく困っている人が、案外近くにいるものです。
私は今シーズンの罠シェアリング参加者を募ろうと、説明会を開く予定なのですが、既に定員オーバーな勢いです。
「罠シェアリング」 説明会 2016/10/9(日) 時間未定
— イクメン猟師Ogawa (@TaketoOgawa) 2016年9月6日
今年も罠シェアリングをやりますので、興味ある方向けに説明会を開催します
■All Abouthttps://t.co/9HGJ4gyDcj
■罠シェアリング概要https://t.co/CRTQrnLYMt
需要は確実にあります。
罠猟やっている方は、一度罠シェアリングの検討をいただけると幸いでございます。
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