アナグマよりもタヌキが美味しい!? ワインとジビエの奥深さに驚き
- 2017/01/07
- 01:03

2016年12月30日。
東京都は檜原村で、ワインとジビエを楽しむイベントを行った。
TOKYOジビエWINTER
"東京の秘境を探検後、美味しいワインとジビエを堪能!丸一日充実ツアー"

檜原村 ヴィッラ デルピーノの松村さん、ありがとうございました!!
今回で2回目となるこのイベント。
東京の秘境を探検し、夜はソムリエから本場欧州でのワインとジビエの楽しみ方を学ぶというものだが、昨年はイノシシ、シカの他に、アライグマをメニューに加えて出したところ、大変好評だった。
ワインとジビエのイベントで先日獲ったアライグマとタヌキを出したら美味しいと大好評。
— イクメン猟師Ogawa (@TaketoOgawa) 2015年12月29日
アライグマは猟師風という意味のカチャトーラにして、タヌキは塩のみのソテー。
美味!と満場一致でしたhttps://t.co/gZrYCUc3e7 pic.twitter.com/3in2mZ817N
今回は、狩猟解禁である11月15日からイベント開催である12月30日までの間に、アライグマが獲れなかったため、お出しすることはできなかったが、タヌキ、アナグマ、ハクビシンが獲れたので、それらをお出しした。
あえて何の肉かは伏せて出すという闇ジビエ形式で、食べ終わった後に、一番何の肉が美味しく感じたかを聞くやり方とした。
1. ハクビシンの塩のみソテー
2. タヌキのバター醤油ソテー
3. アナグマのバター醤油ソテー
の順番でお出しする。


ちなみに、今回のイベントでは、「これから始める人のための狩猟の教科書」の著者で、孤独のジビエで知られる東雲輝之先生がスタッフとして協力してくれた。
東雲先生は本の宣伝も兼ねてなのか、著書を使い、ハクビシンやアナグマについて説明をしてくださいました。

「これから始める人のための狩猟の教科書」の著者で、人気狩猟ブログ「孤独のジビエ」の管理人 東雲輝之氏
今回、ハクビシンだけ塩のみソテーとしたのは、、ハクビシンは脂がのってて肉質がとても良かったため。
一方、タヌキ、アナグマはまだ若い個体のようで身体も小さく、脂も肉の量も少なかった。
味見してみて、「これは塩のみじゃぁきついな」と思い、バター醤油の味付けとしたのだった。
味付けに違いはあれど、肉としてはハクビシンが一番美味しいように自分は感じたし、ハクビシンが一番おいしいという回答が一番多いだろうと思った。
ところが・・・
1. ハクビシンの塩のみソテー 6名
2. タヌキのバター醤油ソテー 7名
3. アナグマのバター醤油ソテー 2名
なんと!
僅差ではあるが、狩猟者であれば、臭い不味いと食べる人がほとんどいないタヌキが一番美味しいと答えた人が多いとは!!
そして、イノシシの10倍旨いと言われて、渋谷に専門店までできたアナグマが最下位とは!!
タヌキが一番と回答した方の感想を聞く。
『確かにクセはあるが、マトンと比べると全然気にならない』
『このクセがワインと愛称がいい』
『うわー!タヌキ、くっさ~マッズ~と言いたかったのに、普通に美味しくてちょっとガッカリ』
とのことだった。
今までタヌキが美味しいなんて、孤独のジビエでしか見たことがなかったが、これは考えを改めるべきだと思った。
ワインと合うという言葉が散見されたが、タヌキのような一般的には臭いと言われるジビエを美味しく食べる方法の一つだと感じた。
ジビエの本場フランスで、ジビエ専門のレストランに行った人の話を聞くと、出された料理は臭くて食べるのに躊躇したが、ワインを飲みつつ食べると最高に美味しかったという。
よって、今回のようなワインが好きな人が集まるイベントでは、もっともクセが強いはずのタヌキを一番美味しいという人が多かったのかもしれない。
勉強になった。
イベント開く側の人間が勉強するというのもいかがなもんかと思うが、実に勉強になりました。
僕もワイン好きなので、今後はタヌキとワインの相性についてさらに深堀して今後のイベントで使う話のネタにしたいと思う。
さて、今回のイベントでは、タヌキ、アナグマ、ハクビシンを闇ジビエ形式で出したが、メインディッシュは、店主の作るイノシシ肉で作ったソースのパスタにブラザートという煮込み料理。
参加者全員、使った肉云々ではなく料理として美味しいとのこと。
そりゃそうですよ、どう見ても美味しいもの。




美味しくて、しかもワインに合う料理、ジビエ。
必然的にワインを飲むペースも早くて、用意したワインはすべて空になったそうだ。

多くの狩猟者からするとタヌキは獲れても嬉しい獲物ではないだろう。
だが僕は、今回のイベントに参加いただいた方々のように、タヌキを美味しく食べてくれる人がいるから、今後も取れた際は、肉質、衛生面に気を付けて肉にする。
綺麗な肉にして、美味しく食べてもらう。
それが、喰い供養という獲物に対してのリスペクトであると思っている。

タヌキ、ありがとう!!
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