山幸彦と海幸彦
- 2021/05/16
- 16:18

土曜日。
奥さんがパートに出た後、午前の散歩。
猟場に設置しているトレイルカメラのSDカードを替え、川まで歩き、ちょうど牛乳がなくなっていたのでスーパーに牛乳を買いに行く。
何気なく魚コーナーを回ってみると、得値のシールが目立つ。
そういえば、コロナ禍で魚が安くなっていると言うのを耳にしたな。
お!!
ウルメイワシが198円!!
普段より100円か200円安い!!
しかも故郷、熊本県の天草産だ。
イワシか。。。
冷酒でいきたいな。
たまにはポテトチップスなんかではなく少し贅沢に生臭物を肴としたい。
牛乳を買うのを見事に忘れ、イワシと日本酒、子供が欲しがった玩具付きお菓子を買って帰宅。
子供らに昼を食べさせ、寝かしつけたらようやく我の時間。
庭で土曜の昼下がりから酒を喰らうという、少々罪悪感を感じるも至高の時間だ。

ウルメイワシ、旨い。旨すぎる。
程よい酸味と苦み、そしてこの塩辛さが酒に合わぬわけがない。
魚とはなんとすごい食べ物なのだろう。
なんの手間も加えず、ただ焼くだけで最高のご馳走となる。
干しものにする手間はあるわけだけれども。。。
神が人間が食べるために創り給うたものとしか思えない。
“手間いらず”とうい点ではジビエより海産物が好きだ。
いや、イワシの他、アジ、サンマ、サバなどの青魚と言われる魚は、
安いし、ただ焼くだけ。
あらゆる食材の中でも最強とさえ思う。
食べながらふと思う。
今のままの魚の乱獲と水質汚染が続くと2040年頃に海産物は食べられなくなるらしい。
秋の味覚、サンマが不漁で値上がりしたというニュースも記憶に新しい。
養殖の技術は進んで高級魚も安く食べれるようにはなるという話もあるが、どうなのだろうか?
このウルメイワシを食べることができなくなる日が来るのだろうか?
今の自分にできることを考える。
僕は海の民ではなく山の民だ。
東京あきる野という山の近くに住み、狩猟をしているのでね。
一見すると海のためにできることはないような気がする。
が、豊かな海というのは豊かな山があって成り立つものなのである。
海と山は川で繋がっている。
どこの地域の言葉か忘れたが、「魚つき林」という話を聞いたことがある。
魚つき保安林は森林法第8条に基づき指定される保安林の一つ。昔から、漁業者の間には、海岸近くの森林が魚を寄せるという伝承があり、そのため海岸林や離れ小島の森林を守って来た歴史がある。そのような森林を魚つき林(うおつきりん、魚付林・魚付き林)という。現在、そのような名目で魚つき保安林という名のもとに保護を受けている区域もある[1]
Wikipediaより
漁業を生業とする地域ではその山も大切にするそうだ。
山から流れ出す栄養分は、川を経て魚たちが育みやすい海を作り上げるということだ。
つまり、山が豊でないと海は貧しくなってしまう。
今、日本の山々は増えすぎたシカによって荒廃が広がっている。
シカの食害により、土砂崩れも増えているという。
ということはだ、罠シェアリングの活動でシカを獲ればそれは山の保全に繋がり、果ては海の保全にも繋がるということなのである。
日本神話に、山幸彦(やまさちひこ)と海幸彦(うみさちひこ)という話がある。
猟が得意な山幸彦は、漁が得意な海幸彦の弟。
どういう話なのか、中田敦彦Youtub大学 エクストリーム日本神話で是非やってほしい。
日本神話においても山と海は兄弟であるのだ。
古代の日本人も山と海の関連性をわかっていたのではないだろうか。
罠シェアリングの活動で、豊かな海、そして美味しいウルメイワシを守ろうではないか!!
土曜の昼下がり、酒を飲み、酔いながらも狩猟に対する熱意が沸いてきた。
20年後も山、海が豊かであるように。
僕の山幸彦と海幸彦とウルメイワシで一杯やれるように。。。


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